【桜】東光寺・石戸蒲ザクラ(日本五大桜)

ポイント
東光寺は埼玉県川越市「東明寺」の末寺で、開基は源範頼公と言われています。
境内にある国指定天然記念物の桜の銘木「石戸蒲ザクラ」が、全国的に有名です。
大正時代に東京帝国大学の三好博士が「稀な巨木」「貴人の伝説を伝える」「特殊の種類に属す」と保存を強く主張したこともあり、今日まで大事に守られてきました。

【見ごろ】
例年4月上旬ごろ(ソメイヨシノよりやや遅めの傾向)。

【稀な巨木】
樹高12.1m、枝張り南北16.8m・東西20.5m、根回り最下部7.2m 樹齢800年と言われます。

【貴人の伝説】
鎌倉幕府の初代征夷大将軍・源頼朝公の母違いの弟、源範頼公がこの地で杖を地面に刺し、根付いて蒲ザクラに成長したとの伝承があります。
蒲御厨(かばのみくりや・現在の静岡県)で生まれたことから「蒲冠者(かばのかじゃ)」と呼ばれていたため、彼にまつわる桜が「蒲ザクラ」の名称で記念されています。

【特殊の種類】
樹種の和名 "カバザクラ"で、世界で唯一この地に自生しています。

【江戸時代も有名だった】
『南総里見八犬伝』で知られる瀧澤馬琴の著作(挿絵は渡邉崋山)の画『玄同放言』に取り上げられるなど、文人墨客の関心を集めていました。
江戸幕府編纂の地誌にも取り上げられています。

【日本五大桜】
大正11年10月2日に国の天然記念物に指定された5つの桜が「日本五大桜」で、他の4つは「三春滝桜」「山高神代桜」「狩宿の下馬桜」「根尾谷淡谷桜」です。
「狩宿の下馬桜」は日本最古級のヤマザクラで、最後は不仲となった源範頼公の兄・頼朝公が下馬した地にあります。