国宝旧開智学校校舎(かいちがっこう)

【国宝です!】
●令和元年9月30日の官報号外第126号(文部科学省告示第70号)により告示され、国宝に指定されました。
●国宝に指定される前は、1961年から国の重要文化財でした。
●国宝指定の理由は、「近代化を推進した開化期の洋風建築受容を示し、近代教育の黎明を象徴する最初期の擬洋風学校建築として、文化史的に深い意義を有する」ことが評価されたためです。
●近代建築では3件目、近代学校建築としては初の国宝です。
●松本城天守と旧開智学校校舎、松本市内の国宝2か所を巡るのがおすすめです。

【社会科の教科書で見た、あのハイカラな学校です】
●明治初期、日本中が文明開化に沸き、建物にも洋風が求められました。ところが建物を施工する日本の大工たちに、洋風建築の実践経験はありません。
●そこで彼らは、東京や横浜、大阪や神戸などの先進地を見学して洋風建築の情報を集めました。それに加え、日本の伝統技術を駆使して洋風に見立てたり、身近な材料を工夫して洋風に近づけたりすることも行ったのです。
●この結果、各地で和風・洋風の要素が混ざり合った建築が全国で誕生しました。これが「擬洋風建築」といわれるものです。日本人が西洋の建築を受け入れ、どのように応用したかを示す建築、と今でも評価されています。
●旧開智学校校舎は、こうした擬洋風建築の特質をよく備えたものです。

【擬洋風建築、ここが見どころ】
●西洋建築風の石積み? → 建物四隅のギザギザ模様は、漆喰に灰色の着色をして壁に塗り重ね、石っぽく仕上げたものです。
●レンガの柱? → 木柱です。レンガ模様をペンキで描いてあります。

【独創的なデザインにも注目!】
●天使と龍が並んでいる → 建物の正面、西洋伝来の天使の看板と、日本の伝統的な龍の彫刻が並べて配置されています。この大胆なデザインは、旧開智学校校舎でしか見られないものとされています。

概要
【ポイント】

◆令和元年9月、国宝に指定

◆文明開化の象徴、明治時代の代表的な「擬洋風建築」